絵になる風景

不思議だけれどヨーロッパに行くと、思わずシャッターを切りたくなる風景を目にする事が多い。日本ではあまりそういうことが起こらないのは、自分に見慣れた風景だからだろうか・・・。空気が乾燥していて青い空も日本よりクリアに見えるし、建物が歴史的で、私の関わるクラシック音楽の歴史をも髣髴とさせてくれることが多いので、多少、憧れが混ざって美しく思われるのだろうか。でも実際、写真になったものを客観的に見てくれる人からも、ヨーロッパで撮ったものは、やはり「どこでも絵になるね。」という声が聞かれる。

アンデルセンには「絵のない絵本」という作品がある。
アンデルセンは1805年にデンマークのオーデンセに産まれて、14歳で王立バレエ学校に入学、16歳でラテン語学校、23歳のときコペンハーゲン大学に入学している。最初の童話集は30歳のときのものだ。34歳のときスウェーデン旅行、この年に「絵のない絵本」を書いた。

アンデルセン1840年にはじめて汽車に乗ったそうだ。1843年38歳のときにはスウェーデン生まれの当時のプリマドンナ、イェニー・リンドとの交流もあった。アンデルセンは彼女を愛するほどで文通もあったが、彼女のほうはアンデルセンの作品のファン、ということで留まったようである。

アンデルセンは一生、結婚しなかったそうだ。

そんなアンデルセンは作曲家シューマンと同時代人である。(アンデルセンが5歳先輩。)シューマンの歌曲にもアンデルセンの詩によるドイツ語の歌もあるし、この両人は直接会ったこともあった。先の歌手イェニー・リンドもシューマン夫妻と知己があった。