2013-01-01から1年間の記事一覧

「白鳳の貴公子」

過日、東京芸術大学大学美術館(通称、芸大美術館)で開かれていた「国宝興福寺仏頭展」を観た。 この芸大美術館は出来上がって公開になったのは、確か私が大学院の博士課程に入った頃だったから、芸大の長い歴史からするとまだ日は浅い。それでも、芸大所蔵…

バラのメッセージ

今日、暗くなって帰宅して、ひと段落してから、暑いのでちょっと外に出てみると・・・、そうなんです、あの蕾だったバラが咲いていたのです!つい先日、つぼみに気づいたばかりなのに、あっという間に開花を始めました。 このバラのメッセージはいかに?! …

あっ、バラに蕾が!

先週、大切な恩師のお一人が天に召されました。 ご葬儀翌日の朝、静かに降る雨模様の中、ふと庭に出て眺めてみると、何と!!!、夏の間、陽射しのもと、殆ど砂漠の植物と化していた剪定済みの枝ばった薔薇に、蕾がついているではありませんか!! 確かにそ…

ニーチェの石碑@スイス

スイスのシルス湖畔にニーチェの詩が刻まれた石碑の埋め込まれた岩があり、訪れたことがある。ワイマールでのマスタークラスに参加して演奏会も終えた後、ちょうどスイスでバカンス中の、ドイツ留学中お世話になったドイツ人のおばさまを訪ねて、スイスまで…

ケルトからワーグナーまで

さて、先の記事にケルト遺跡の博物館のことを書いた。ところで、改めて、ケルトなるものを世界史辞典で調べてみると、興味深いことが書いてある。ケルト人は古代インド=ヨーロッパ語族のひとつ。紀元前10世紀ごろから現住地のライン・エルベ・ドナウ河の間…

ケルトの文化

シュトゥットガルトから北へ向かうSバーンに乗って5駅目で、お城のあるルートヴィヒスブルクに着く。(先の記事のアスペルクはその一つ先だ。)ルートヴィヒスブルクのバロック建築のお城の広場に開かれるクリスマス・マーケットは有名で、ユスティーヌス・…

「ます」の逸話~アスペルクと詩人シューバルト

知らない人はいないほど、日本でも定着しているシューベルトの「ます」。オリジナルのドイツ語詩による歌曲はもちろんのこと、器楽の五重奏曲でもすっかり有名だ。ところで、この歌詞となっている詩を書いたのはシューバルト。ミスプリではなくて、本当にシ…

ケプラーの街ヴァイル・デア・シュタット

シュトゥットガルト留学時代の古い写真をスキャンしている。2003年のものだから、もう10年も前だ。郊外にヴァイル・デア・シュタット(Weil der Stadt)という古い街があった。ここにはシラーの生まれたマールブルクと同様に、城壁も残る歴史的な佇まいがあ…

バラに実がついた!

いつからだったか、バラに実がついている。 今年咲いた沢山のバラの花のうち一輪を、花が終わっても切らずに残しておいたところ、気がつくと、このように上から赤い実の端が顔を見せている。花の「がく」だったところが緑の皮に包まれたまま、膨らんでいるの…

『サムソンとダリラ』考

サン=サーンスのオペラ『サムソンとダリラ』には、誰でも知っているようなお馴染みのメロディーがある。ダリラのアリア「あなたの声に私の心は開く」である。音楽家ではない日本のご年配の方でも、この曲は、トマのオペラ『ミニョン』の「君よ知るや南の国(…

ベートーヴェン第8番に思う

先日、とあるコンサートで、ベートーヴェンの交響曲第8番を聴く機会があった。その 曲目解説に、この曲はベートーヴェンが夏の避暑地テプリッツに滞在した1812年7月から本格的に作曲が開始され、10月にリンツで完成された、とある。この夏のテープリッツで…

水戸光圀の塔@ドレメ通り

先の衣装博物館前の小さな庭に、何やら不思議なものを見つけました。大きな灯篭のように見えます。説明書きによると、これには徳川家の紋が入っており、水戸光圀(1628ー1700)の命により鋳造された塔、とあります。その後、高橋是清が赤坂の自宅に移し、さら…

衣装博物館@ドレメ通り

そのドレメ通りをさらに進んでゆくと、また左手に何やら古い装いの建物が見えてきました。これは杉野学園衣装博物館、とあります。 ミラノのスカラ座博物館で、舞台衣装の展示を見たことをふと思い出しました。日本にもこんなものがあったのですね・・・ここ…

ドレメ通り散策

目黒の駅近くに、通称ドレメ通り、という服飾学校校舎の並ぶ通りがあります。昔はドレメ、今は学校法人杉野学園が経営する杉野服飾大学、同短期大学が校舎を構えている様子です。そのドレメ通りを歩いていくと左側に写真のような洋館が見えて来ました。今時…

優雅なひととき@デパート

コンサート帰りに、半蔵門線の三越前駅がちょうど乗り換え駅となった。あそこは乗り換え時に一度改札を出ると、30分以内なら、出歩けてしまうので、つい地上の日本橋の風景を眺めてみたくなり、上へ上がった。日本橋を脇目に、三越本店前に差し掛かると、出…

6月11日はリヒャルト・シュトラウスの誕生日

6月11日はリヒャルト・シュトラウスの誕生日でした。毎年、何がしかのそんな誕生日情報に改めて気がつくのが常ですが、今年は、6月12日のリサイタルのプログラム最終ブロックを固めていたのは、リヒャルト・シュトラウスの歌曲でした。その前日11日…

王子稲荷のお狐さま伝説

私がよくリサイタルをさせていただく北とぴあは、東京都北区王子にあります。今ではJR京浜東北線のほか、東京メトロ南北線も通って、交通の便もよくなりました。この北とぴあには大ホールと小ホール、その他のサロン風の空間もあるようですが、私のリサイタ…

ワーグナー生誕200年に

今日、2013年5月22日は、リヒャルト・ワーグナーの生誕200年にあたる誕生日です!先日、9日の薔薇の写真ですが、お祝いに掲載します。10輪の花が咲きそろった最盛期のものです。お見事でした。 ワーグナーはライプツィヒに生まれました。古くはあのバッハが…

エルダーフラワーのこと

先日、お店でスイスから輸入のリコラキャンディーを目にしたとき、いつも買う味とは違う種類のものを初めて購入しました。紫色のパッケージのエルダーフラワーというものです。ほかのリコラのシリーズと同様に、スイス原産の13種のハーブに、このバージョン…

ワルキューレ・ローズに~その2~

私のワルキューレ・ローズ、このように咲きそろって来ました。昨日は、この薔薇さんにリサイタルの全プログラムを窓越しに聞いていただきました!もちろんワーグナーのヴェーゼンドンク歌曲集も入っています。

ワルキューレ・ローズに

バラが咲いています。見やすいように白い壁の前に置いて撮影しています。右の写真でお分かりいただけるでしょうか、フォークの先のように広がった枝の先に蕾。咲き出したものも含めてちょうど8つ。ワルキューレの数になっています。 ワルキューレの初日に頂…

ああ、バラ

ついにバラの開花が始まりました! この春初めてのバラです。 色鮮やかで、嬉しいものです。

ヴェネチアのワーグナー

「ヴェニスに死す」とは、トーマス・マンの小説(1912年)であるが、今年、生誕200年を迎えるワーグナーもヴェニスで客死した人物である。先の小説の内容は、ワーグナーとはまったく関係がないが、トーマス・マンも、この大作曲家、一時代を築いた芸術家が、…

鐘の音

2011年の3.11の日から2年を迎えた。 テレビで大槌町のお寺(江岸寺)の様子が紹介されていた。 お寺といっても、津波と火災で本堂も鐘もなくなってしまって、今はプレハブだ。 そこに奈良の薬師寺から、人々からの寄付によりこのお寺のために再現された鐘が…

フィンランドの針葉樹林

ウィーンから日本に向かう空の旅の経由地はフィンランドのヘルシンキでした。写真に、飛行機間を行き交う積荷の列と、その背後に針葉樹林が見えます。北に来たのだな、とこの樹の姿でわかるわけです。北に位置するヘルシンキ経由は地球が丸いですから、距離…

写真に撮らなかった風景

夜のグラーベン通りをシュテファン広場を背にして歩いていると、あまりカラフルではなく、むしろ普通の電球の色にほぼ統一された、美しいイルミネーション飾りを見上げて、とても優雅な気分になった。ふとお店の並びが途切れて、右に入る小道があった。そこ…

『女の愛と生涯』とミーナの手紙

シューマンの歌曲集「女の愛と生涯」、あるいはレーヴェの歌曲集「女の愛」は、ドイツの詩人シャミッソーの1830年作の連作詩に作曲されたものである。 ところで、このシャミッソーには『ペーター・シュレミールの不思議な物語』(影のない男)という物語作品…

現実のドナウ

今回は、教会でのコンサートとウィーン・フィルのジルヴェスター鑑賞という二つの目的を無事に果たせたことに感謝して安堵しつつ、考えてみればホテル・ザッハーのカフェにも座っていない、ホテル・インペリアルにも入っていない(正確にはウィーンフィル事…

ウィーンの屋根の上

ここはどこ?パラボラアンテナに教会の塔も見えます。そうなんです、屋上にいるのです。 当初、ジルヴェスター・コンサートのあとは、翌日元旦の朝にウィーンを出て日本に向かう旅程だった私は、宿におとなしく帰って、荷造りをしたらそのままテレビでも見な…

強者どもが夢の跡?!

ところで、私たちは今回、ウィーン楽友協会ホールの立ち見席でウィーン・フィルのジルヴェスターコンサートを鑑賞したわけですが、まずは、この写真に見えますバーをご覧いただきたいと思います!これは左側かなたにある舞台に向かって、立ち見席の左右の空…