ドイツ語

『女の愛と生涯』とミーナの手紙

シューマンの歌曲集「女の愛と生涯」、あるいはレーヴェの歌曲集「女の愛」は、ドイツの詩人シャミッソーの1830年作の連作詩に作曲されたものである。 ところで、このシャミッソーには『ペーター・シュレミールの不思議な物語』(影のない男)という物語作品…

赤とんぼに思う

今日、こんな赤とんぼがうちの戸口の側にとまっていました。ちょうど目の高さでびっくりしました。そう、思えばすでに11月も半ばを過ぎ、秋も深まりました。強い風が吹いているので、壁で休んでいたのでしょうか。私がとっさに写真に撮りたいと思い、携帯を…

ベッティーナ・フォン・アルニムのこと

ドイツ文学の歴史に名を連ねる一人の健気な女性がいる。ベートーヴェンやゲーテの母、そしてゲーテ本人とも親交があり、後には娘を連れてデュッセルドルフのシューマン家を訪れたりしていたベッティーナ・フォン・アルニム(1785-1859)だ。 ドイツ文学で後期ロ…

シュヴァーベンの詩人ユスティーヌス・ケルナー没後150年に

今年は、ドイツ、バーデン・ヴュルッテンベルク州が誇る詩人ユスティーヌス・ケルナー(1786-1862)の没後150年にあたる。 私がこの詩人を知っているのは、シューマンの歌曲にその詩が歌詞として取り上げられているからである。今年4月に「2012年 春に」と題…

世界市民~ゲーテの言葉~

東京ゲーテ記念館がある小道にはゲーテ通りと名前がつけられ、目印の表示が立っている。その袂には、ゲーテの文章が原語のドイツ語と日本語訳とで刻まれている。そこに「世界市民 Weltwohner」という単語を見つけて、何と時事的かことか、と思った次第である…

ゲーテのファウスト展@東京ゲーテ記念館

東京北区西ヶ原にある東京ゲーテ記念館をご存知の方はどのくらいいらっしゃるだろう。私は2年前に初めてその存在を知った。北区にある会場での演奏会のチラシを置かせていただいたことがあったのだ。でも、まだ自分で足を運んだことがなかった。ゲーテには興…

シラーとゲーテの文通

ワイマールの街は、歴史上、ドイツの文化の中心地であった。ゲーテやシラーが住み、音楽家ではリストもここに居を構えた。 ゲーテがワイマールにいて、シラーが今の電車で30分ほどのイェーナにいたころ、二人は毎日のように文通で手紙を交わしていた。その様…

ドイツ語の読書

留学から帰って以来、2年と少しの間、大学のドイツリートの解釈・演奏法の公開レッスン形式の授業で、ドイツ語―日本語間の通訳をする機会を与えられてきました。音楽家の私が、まさか通訳としての訓練を受けた経験は皆無で、ある日から突然、二つの言語間を…

Staatlich: 国立、州立、市立ということ

シュトゥットガルト歌劇場の日本公演が2月中旬に渋谷のオーチャードホールでありました。この公演のお手ごろなチケットを事前に買いはぐれたので、当日券を求めて、劇場窓口へ。そこで、当日券が全部売り切れたときには立見席が出ることを知りました。2日足…

洗面台 Das Waschbecken

今日は、私が大学のお仕事の一貫で、授業で通訳を承っているドイツ人の先生から、官舎のWaschbeckenのお湯の出方がおかしい、ガタガタ揺れているので、このままだとお湯がそのうちに噴出すかもしれないから、至急、大学の事務所に連絡してほしい、とお電話が…