#その他文学

『女の愛と生涯』とミーナの手紙

シューマンの歌曲集「女の愛と生涯」、あるいはレーヴェの歌曲集「女の愛」は、ドイツの詩人シャミッソーの1830年作の連作詩に作曲されたものである。 ところで、このシャミッソーには『ペーター・シュレミールの不思議な物語』(影のない男)という物語作品…

赤とんぼに思う

今日、こんな赤とんぼがうちの戸口の側にとまっていました。ちょうど目の高さでびっくりしました。そう、思えばすでに11月も半ばを過ぎ、秋も深まりました。強い風が吹いているので、壁で休んでいたのでしょうか。私がとっさに写真に撮りたいと思い、携帯を…

ベッティーナ・フォン・アルニムのこと

ドイツ文学の歴史に名を連ねる一人の健気な女性がいる。ベートーヴェンやゲーテの母、そしてゲーテ本人とも親交があり、後には娘を連れてデュッセルドルフのシューマン家を訪れたりしていたベッティーナ・フォン・アルニム(1785-1859)だ。 ドイツ文学で後期ロ…

ニーベルングの町ヴォルムス

行ってみたい町ヴォルムス。ここはワーグナーの「ニーベルングの指輪」のもとにもなっている叙事詩「ニーベルングの歌」の舞台となっている街だ。いまやネット社会、インターネットで調べても、この町の写真などを簡単に見ることが出来る。歴史的建造物の多…

世界市民~ゲーテの言葉~

東京ゲーテ記念館がある小道にはゲーテ通りと名前がつけられ、目印の表示が立っている。その袂には、ゲーテの文章が原語のドイツ語と日本語訳とで刻まれている。そこに「世界市民 Weltwohner」という単語を見つけて、何と時事的かことか、と思った次第である…

ゲーテのファウスト展@東京ゲーテ記念館

東京北区西ヶ原にある東京ゲーテ記念館をご存知の方はどのくらいいらっしゃるだろう。私は2年前に初めてその存在を知った。北区にある会場での演奏会のチラシを置かせていただいたことがあったのだ。でも、まだ自分で足を運んだことがなかった。ゲーテには興…

シラーとゲーテの文通

ワイマールの街は、歴史上、ドイツの文化の中心地であった。ゲーテやシラーが住み、音楽家ではリストもここに居を構えた。 ゲーテがワイマールにいて、シラーが今の電車で30分ほどのイェーナにいたころ、二人は毎日のように文通で手紙を交わしていた。その様…

SieとDuとdu

ドイツ語で二人称の呼び方には、 1.あらたまったSie 2. 親しい間柄でのdu (手紙文ではDu) があります。 あるとき、ウィーン人の声楽仲間(同年代の女性)からメールが来たとき、私のことを大文字のDuで書いてありました。そのとき、初めてそんな書き方を知…

ロマンシュ語はスイス公用語の一つ

スイスの公用語は、フランス語、イタリア語、ドイツ語、そしてロマンシュ語の4つです。 ラテン語から派生した言語を広くロマンス語族といったりしますが、ロマンシュ語は、その中で、レト・ロマンス語族に属する言葉です。ドイツでは、このロマンシュ語(Ru…

日の昇る国、日本へ

ドイツでかつてお世話になった劇場からのとあるEメールの最後に、決まり文句の挨拶と一緒に、「日の昇る国、日本へ」と書いてありました。 日本とヨーロッパ大陸の距離も実感しますが、自分のいる国がコロンブスの時代から変わらず、こうしたイメージで見ら…

ドイツ語の読書

留学から帰って以来、2年と少しの間、大学のドイツリートの解釈・演奏法の公開レッスン形式の授業で、ドイツ語―日本語間の通訳をする機会を与えられてきました。音楽家の私が、まさか通訳としての訓練を受けた経験は皆無で、ある日から突然、二つの言語間を…

Staatlich: 国立、州立、市立ということ

シュトゥットガルト歌劇場の日本公演が2月中旬に渋谷のオーチャードホールでありました。この公演のお手ごろなチケットを事前に買いはぐれたので、当日券を求めて、劇場窓口へ。そこで、当日券が全部売り切れたときには立見席が出ることを知りました。2日足…

洗面台 Das Waschbecken

今日は、私が大学のお仕事の一貫で、授業で通訳を承っているドイツ人の先生から、官舎のWaschbeckenのお湯の出方がおかしい、ガタガタ揺れているので、このままだとお湯がそのうちに噴出すかもしれないから、至急、大学の事務所に連絡してほしい、とお電話が…

続:アンデルセン童話

秋晴れの空の下、非常勤勤務をよいことに今日はオフ!! 自転車散歩で、ついに多忙を押して図書館へ。(児童図書館でなくもうちょっと遠い市立図書館まで。)もちろんめざすはアンデルセン。 アンデルセンの童話は、ドイツのグリム童話と違って、アンデルセン…

アンデルセンの生誕200年

髪を切ってからというもの、なぜか身辺があわただしくなった。なぜだか忙しい。睡眠と食事の時間はとっているし、こうしてブログを書くひと時はあるとはいえ、一端、仕事になるとトイレにいくのも水を飲むのもままならないほどだったりする。 ふと、赤い靴を…