2011-01-01から1年間の記事一覧

セガンティーニとの再会

先日、東京新宿の損保ジャパンビルの中にある東郷青児美術館にて、セガンティーニの絵を見た。セガンティーニは私にとって、スイスへの旅と結びついて、思い出深い画家である。 以前にもこのブログに、ワイマールでの生き返るようなマスタークラス参加のあと…

ベネズエラのエル・システマ

今年、エル・システマという言葉を聞いたのは今日が2度目だ。1度目は夏のサイトウキネンフェスティヴァル松本のチケットを手配していた最中、演奏会の指揮者ディエゴ・マテウスの名が目に留まった。その人のプロフィールにエル・システマが生んだ指揮者、と…

園田高弘さんの2枚のCD

故園田高弘さんの2枚のCDを先日来、聴いていた。「若き日の軌跡」と題されたこの2枚のCDには、華麗なピアノ曲ばかりの録音が収まっている。Ⅰには、ラフマニノフ<ピアノ協奏曲第3番ニ短調>作品30、ストラヴィンスキー<4つの練習曲>作品7、グラズノ…

万霊節の日に

最近、電車に乗る日が増えて、おかげで昨年の夏以来、読んでいたダンテの『神曲』をついに読破しました。昨夏、「地獄編」、ついで「煉獄編」、その後、「天国編」を読み始めたところで、なぜか穏やかな天国は、さして問題ないような気がして安心してしまい…

秋の新芽

秋に新芽が出てきました。お馴染みの私の薔薇さん、自称「ワーグナーローズ」であります。 私はこの秋、大事な季節に、9月25日から風邪をひき、微熱でぼ~っとした、すっきりしない日々を過ごしました。はや一ヶ月が経とうとしいています。熱も出なくなり、…

地球は青い星

以前に、ボンのベートーヴェンハウスの入り口わきの壁に取り付けられている謎の装置について書いた。何に使うのか、私と同世代の一緒に見学したドイツ人にもわからなかったものだ。 この度、ある会合で私の留学や旅の経験を音楽の話題と共にご紹介する機会が…

ロッシーニ『セビリアの理髪師』に思う

私はロッシーニが好きだ。昔、芸大の入学試験で自由曲として歌ったのも『セビリアの理髪師』からロジーナの登場のアリア「今の歌声は」だった。 私は留学・旅のブログをこうして書いているわりには、飛行機でヨーロッパに飛んだ回数はほんの数えられるほどで…

蔵のまちからも山!

蔵のまちからもこうして遠くに青い山並みが垣間見える。松本はどこに居てもこうして通りの向こうに山の見える街だ。 これから何かお土産を探しながら、駅に向かう周遊バス「タウンスニーカー」を待つところ。 シンガーミシンのアンティークが店先にあり、ふ…

信州松本の風

松本は盆地で、夏は暑く、冬は寒い、と昔、地理の時間に習った。それでも、やはり駅に降り立ってみると、どこか高原に似たさわやかな信州の風を感じる。 今回、私の人生初めての松本への旅の発端は、サイトウキネンフェスティヴァル訪問だった。もう歴史の長…

2011年お盆の薔薇

お盆の入りの昨日、写真左のように蕾を開いた薔薇。今日、14日夜には、写真右のように闇の中でひっそりと開花を進めていました。(真っ暗な中、写真のフラッシュのみで撮影。)その左下のほうには、もう一つの蕾もあり、写っています。このブログでいつも取…

松島にて

旧来からの霊験あらたかな土地で、もともと寺院のあった松島の歴史を続ける意図で、伊達政宗は瑞巌寺を建立した。松尾芭蕉の『奥の細道』の時代には瑞巌寺もすでにあった。松島はこうして瑞巌寺と一体となり、今に至るまで観光名所として親しまれ、日本三景…

阿武隈川に安達太良山

今日も都内のJRの中吊り広告にJRの「いざ東北」というポスターを見た。東北へ旅に出て、旅先で消費することも支援のひとつだ、という、なかなか宣伝上手なポスターだ。 そういう私もつい数日前、思い立って東北に行って帰ってきた。 新しい新幹線「はや…

「今美術の力でー被災地美術館所蔵作品から」@藝大美術館

昨日、たまたま看板に貼られたポスターで、この展覧会のことを知り、ちょうど空き時間に見学した。3・11で被災した地域から、茨城大学、茨城県近代美術館、茨城県天心記念五浦美術館、いわき市立美術館、岩手県立美術館、郡山市立美術館、水戸芸術館、水…

ブラームスの徒歩旅行

ブラームスはライン河沿いの徒歩旅行を好み、何度も歩いて旅をした。彼の最初のライン徒歩旅行は1853年で、9月1日にボンの近郊メーレムにダイヒマン一家を訪ねた。この一家が、ヨーゼフ・ヨアヒムがそもそも強く望んでいたことであったが、ブラームスをデュ…

猫城発見!

昨年、シュトゥットガルトからボンへ列車で向かった折の車窓から撮った写真に、今更ながら「猫城」が写っているのを確認した。右側のズームアップ画像でわかるように正面に細い丸い塔が先の尖った屋根をして立っているのが目印になる。このドイツ西部を北上…

ニーベルングの町ヴォルムス

行ってみたい町ヴォルムス。ここはワーグナーの「ニーベルングの指輪」のもとにもなっている叙事詩「ニーベルングの歌」の舞台となっている街だ。いまやネット社会、インターネットで調べても、この町の写真などを簡単に見ることが出来る。歴史的建造物の多…

祈り~毘沙門様の前で~

写真は、昨日、打ち合せに出向いた神楽坂からの帰り道、飯田橋駅に向かう途上で立ち寄った、神楽坂毘沙門天にて撮影。阿吽(あ・うん)の虎であります。写真右が、本殿に向かって右側にある阿(あ)の虎、写真左が、本殿に向かって左側にある吽(うん)の虎…

よき知らせを受けた土地

私が留学していたシュトゥットガルトはドイツの南西部、バーデン・ウュルッテンベルク州の州都です。1864年、借金に追われてウィーンから抜け出して逃亡の旅をしていたワーグナーは、その途上、たまたまシュトゥットガルト滞在時に、バイエルン王ルートヴィ…

上野のベートーヴェン像

上野にもベートーヴェン像があります!場所は東京藝術大学音楽学部構内です。写真はつい先日撮影したものです。多少、下向きに目を見開き、額にしわを寄せつつ、何か真剣な思いにふけっている風情で、髪の毛の勢いよいなびき方も含めて、なかなか力強い、素…

モーツァルトと「f分の1揺らぎ」

かつて私が心理学を専攻していた頃―といってもその頃、私の側に音楽がなかったわけではない。音楽は物心ついたときから常にいろいろな形で私と共にあった―、心理学や周辺の分野でしきりに「f分の1揺らぎ」というのが話題になり、いわば流行であった。ある学…

モーツァルトの音楽はチロリアン?!

写真は武蔵野音大構内のベートーヴェンホール入り口前の屋外にあるベートーヴェン像。目を大きく見開いている随分と太面(?!)のベートーヴェンのご尊顔を拝することができる。 今日はこのベートーヴェンホールでの演奏会を聴かせていただく機を得て、あり…

薔薇、今日も華麗に

今日も帰宅すると、薔薇がまだ華麗に咲いていました。予報よりも涼やかな気候だったからでしょう。またこの姿に会えて、嬉しい限りです。葉っぱには小さなてんとう虫も発見! 今日、私はワーグナーのヴォーカルスコアを抱えて帰宅しました。そう、この薔薇さ…

薔薇~夕に~

何度見ても名残惜しい今年の薔薇さん。夕方になるとオレンジ色がまるで蛍光成分を含んでいるかのように、ますます映えてくる。このようにダリアのような状態が終わるとあとは、自然と朽ちていく。明日は暑くなるというし、これで今年の花の華は見納めだろう…

薔薇~昼に~

薔薇はいつを満開というのか。今、このダリアのような最終段階が一番迫力がある。お花屋さんにある切花では到底観察できない見事な姿である。よい香りもしている。花には朝の間降っていた雨の雫が宝石のように散りばめられてキラキラと光っていた。 この薔薇…

レーベユン、塔からの眺め

これはレーベユンの教会の塔からの眺めだ。写真上部には窓につけられた格子が写っている。 可愛いお菓子の家が並んだような街並みの背後には緑の大地と雲が広がる。 レーヴェも子供の頃、こんな風景をこの塔から眺めていた。 ドイツの田舎によくある平凡な風…

レーベユンの路地にて

こんなレンガの石畳が続く街の路地に立つと、おとぎの国に迷い込んだかのような錯覚に陥る。あまり静かな街の様子に、思わず町長さんに、この町の方々は何で生計を立てていらっしゃるのですか?と聞いてしまった。町長さん直々に運転して下さっていた関係者…

レーヴェハウスと教会

写真正面の左側に見えている窓の多い家がレーヴェハウスです。中には展示室があります。(この家は現在、公開に向けて修復中です。)その背後に見える塔と赤い屋根はレーヴェの時代からあった教会です。この教会の塔にレーヴェは子供の頃、登って、住んで、遊…

風力発電!~レーベユンからの教訓~

いまや日本でも話題の風力発電。今年は3月11日の大地震と原発の不具合以来、エネルギーの問題が火急の課題として浮上した。 写真は昨秋、ドイツ、レーベユンで開かれた国際カール・レーヴェ祭の最終日、帰途につく車に乗り込むときに撮った風景。遠くにあっ…

弦楽器レパートリー鑑賞入門編!

今日の薔薇。見事に咲いている。これも夕方の撮影。綺麗なオレンジ色。 朝から音楽高校の卒業演奏を聞いて帰宅。副科声楽を教えて知っている生徒たちが数名出演していた。今日は弦楽器の日だった。この薔薇はみんなの卒業へのお祝いのお花なのかもしれない。…

薔薇さんお見事!

ついに2輪目の薔薇が咲きました!朝から咲いていましたが、陽射しが強いと写真に撮っても黄色く写りますが、ここに掲載する2枚の写真は、夕方の光の中で撮ったもので、この薔薇のオレンジ色がより綺麗に出ています。6月の濃い緑にお花が美しく映えています。…