上野のベートーヴェン像

イメージ 1上野にもベートーヴェン像があります!場所は東京藝術大学音楽学部構内です。写真はつい先日撮影したものです。多少、下向きに目を見開き、額にしわを寄せつつ、何か真剣な思いにふけっている風情で、髪の毛の勢いよいなびき方も含めて、なかなか力強い、素敵なベートーヴェン像です。
 
台の正面についているプレートには、ARS LONGA VITA BREVISというお馴染みの格言が書いてあります。アルス・ロンガ・ヴィータ・ブレーヴィスと読むこの格言は、ベートーヴェンのものではなく、古代ギリシアに端を発するものです。現在では、「芸の道は長く、人生は短い」と訳されて広く知られています。
 
人生には限りがあるが、芸術には際限がない、というこの言葉はいろいろに解釈されます。「芸術は追い求めてもきりがないから、ほどほどにして、短い人生を楽しめ!」と仰る方も実際いらっしゃいますが、私はどうしてもそのように芸術を突き放して考えることはできません。人生全てをかけても到底、つかみきれない夢の世界、夢の山に少しでも高く登ろうと日々取り組むことは、私たちにかけがえのない生きる喜びを与えてくれる、そう思っています。種々、制約のある人生において、「永遠」あるいは「無限」という尺度を持つ芸術とお付き合いできることは、何と幸せなことでしょう。
 
このベートーヴェン像の歴史はごく新しいようです。というのも、私の在学時代の大学便覧の地図にはこの像は載っていないのです。このブログでは、3つ目のベートーヴェン像で、母校に帰り着きました。ベートーヴェンさん、上野にもようこそ!