猫城発見!

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 昨年、シュトゥットガルトからボンへ列車で向かった折の車窓から撮った写真に、今更ながら「猫城」が写っているのを確認した。右側のズームアップ画像でわかるように正面に細い丸い塔が先の尖った屋根をして立っているのが目印になる。このドイツ西部を北上する路線は途中、フランクフルトを通り、マインツを過ぎた辺りからライン河辺に出て、コブレンツ付近までこれに沿って走る。豪華列車に乗らなくてもラインの眺めを満喫できる恰好の路線である。
 
お天気さえよければ、こうして対岸に見えるお城を写真にキャッチすることが可能だ。列車の窓越しだけれども・・・。だから、この路線を通るときは、ラインが見え出すと私は席を立ち、写真を撮りやすい車両間のデッキなどに出て(外ではない)、列車のドアの窓越しにカメラを構えては、船の運航する水面、斜面のぶどう畑、山城などにシャッターを夢中で押すことになる。とりわけローレライは何度通っても、その度に、今度こそもっとよく撮れるかもしれない!と思って、トライしてしまう。
 
このときはシュトゥットガルトでのリハーサルを終えて、翌日の本番のためボンに向かう車中だった。このように私の旅は、いつも勉強とか演奏会とか、何か私の本業に付随するものであって、私は純粋な旅行家ではない。でも旅も人生も、そもそもそのようなものなのかもしれない。つまり、たまたまそこに巡ってきた機会が絶好の機会かもしれない、ということだ。
 
それはともかくとして、ライン沿岸部の写真をこうして車中からこれまでに何回も撮っている割には、そこに写っているお城が何というお城なのか、気になりながらも今まで調べることをしていなかった。最近、ふと手に取った、ドイツのガイドブック風の雑誌があった。今更ガイドブックでもないだろう、と思うのは浅はかな発想で、開いてみると、今まで何気なく接していたが詳細を知らなかった物事がいろいろと出ている。そして、当然、ライン河流域の名所旧跡紹介のページもあった。そこには、ライン河とその流域のお城がいわば手書きの地図で紹介されていて、お城についてはイラストの他に、写真も出ている。これは自分の写真と照らしあわせるのに便利だ。
 
そこでパソコンに撮影日時順に入っている写真を順に見ながら、似ているお城を探す。この猫城はそうして確認することができた1枚だ。北上するときにローレライを過ぎてすぐに右側に見えてくるお城なので、ローレライの次に現れた写真を見てすぐにわかった。
 
そういえばねこ城とねずみ城のことは、昔、ドイツ語を「Themenテーメン」という、なにやら難しい教科書で少しばかり勉強したときに、確か同じように絵に描いた地図入りのページがあって、多少、そのいわれも勉強したような気がする。内容はすっかり忘却のかなただ。その分、歌の歌詞が少しでも私の頭の中に収まってくれていることを願おう。
 
左の写真、右下には現代のライン河に実は欠かせない要素でもある貨物船が、鉱物らしき黒いものをむき出しのまま積んで、少し顔をのぞかせてくれている。