文化慣習

ドヴォルザークの《ジプシーの歌》

ドヴォルザークの《ジプシーの歌》op.55(全7曲)は独唱用のみならず、合唱用の編曲もあり親しまれている。また第4曲は〈母の教え給いし歌〉の題名で日本でも昔から名歌集などに取り入れられ、よく歌われている。 ところで、この曲集の第5曲〈弦を正しく調…

スペイン巡礼とオーヴェルニュ地方

いつか歩いてみたいと思う、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼の旅のルート。殉教したキリストの12使徒の一人、ヤコブの遺体がこの地で発見され、その上に大聖堂が建てられたところから、ここが聖地として巡礼者が目指す地となった。 …

モーツァルトの腕時計

次回リサイタルに向け、歌の練習と並行して、取り上げる作曲家や曲の成立過程について調べる日々になってきた。辞典でモーツァルトの項目を読み、彼の人生の時系列に沿った出来事を読みながら、幼い時から本当に旅の多い人生を送っていたのだ、と改めて思わ…

不思議な対話・・・

ドラマ「とと姉ちゃん」も今週で終わった。昨日土曜日の最終回では、昔に亡くなったとと姉ちゃんの父親がとと姉の出版社に登場、ひとりとと姉は父と対話をしていた。父亡き後、会社がここまでになるまでのこと、家族の歩んできた人生のことなどを。幽霊にし…

アプリコットジャム入りチョコレートケーキ

最近ウィーンに旅行した友人のフェイスブックでの写真に触発されて、懐かしい思いでが蘇り、ウィーンに行ったときの自分で撮って来た写真を改めて眺めてみたり、ガイドブックの記事を興味深く読み直してみたりと余念がない。私は得に夢中になったときの集中…

ねこ城のこと

以前、ライン河畔の山城で、猫城というのがあることを写真と共に記事に書いた。ドイツ語では "Burg Katz" という。 さて、驚いたことに、つい最近テレビを見ていたら、このお城は1989年(多分、そう言っていたと思う)から日本人の方が買い取って、その後、…

ファン・ダイクのこと

そのベルギーの知人のお話の中に、現在お住まいの地域について、堤防(dike←英語)の上にある街で、云々、という説明を聞きながら、ファン・ダイクの名を思わず口に出した私。あれと同じダイクですか?と(笑)。確かその昔にベルギーを案内して下さった折、…

鱈はバカリャオ?

先日、ベルギーの旧知の恩人ともいえる知人がお仕事関係で来日した折、東京で再会がかなった。その知人との食事中、ビールを頼んだら、「つきだし」に明太子数種類が出てきた。レモン味とか激辛とか昆布だし漬けのようなバリエーションで。これは何か、とい…

16歳だった猫たちのこと

このブログにも以前に書いたことがあったと思う。1999年、私の部屋の勉強机の下で、助けてあげた迷い猫ののが4匹の子供を生んだ。生まれた順に、チビ(雌)、茶々丸(雄)、花子(雌)、コロ(雌)と名付けた。この6月でそれから17年となった。16年目の昨年夏…

サックスブルーはどんな色?

先日、今年のリサイタルを終えたばかり。大きな衣装はひとまず事前に準備して安心していても、いつも結構、直前になって、小さな小物類を調達することがある。今回は演奏会前日に一部の荷物の運び込み(演奏当日の荷物をできるだけ少なくするための私の習慣…

「白鳳の貴公子」

過日、東京芸術大学大学美術館(通称、芸大美術館)で開かれていた「国宝興福寺仏頭展」を観た。 この芸大美術館は出来上がって公開になったのは、確か私が大学院の博士課程に入った頃だったから、芸大の長い歴史からするとまだ日は浅い。それでも、芸大所蔵…

ケルトからワーグナーまで

さて、先の記事にケルト遺跡の博物館のことを書いた。ところで、改めて、ケルトなるものを世界史辞典で調べてみると、興味深いことが書いてある。ケルト人は古代インド=ヨーロッパ語族のひとつ。紀元前10世紀ごろから現住地のライン・エルベ・ドナウ河の間…

ケルトの文化

シュトゥットガルトから北へ向かうSバーンに乗って5駅目で、お城のあるルートヴィヒスブルクに着く。(先の記事のアスペルクはその一つ先だ。)ルートヴィヒスブルクのバロック建築のお城の広場に開かれるクリスマス・マーケットは有名で、ユスティーヌス・…

ケプラーの街ヴァイル・デア・シュタット

シュトゥットガルト留学時代の古い写真をスキャンしている。2003年のものだから、もう10年も前だ。郊外にヴァイル・デア・シュタット(Weil der Stadt)という古い街があった。ここにはシラーの生まれたマールブルクと同様に、城壁も残る歴史的な佇まいがあ…

水戸光圀の塔@ドレメ通り

先の衣装博物館前の小さな庭に、何やら不思議なものを見つけました。大きな灯篭のように見えます。説明書きによると、これには徳川家の紋が入っており、水戸光圀(1628ー1700)の命により鋳造された塔、とあります。その後、高橋是清が赤坂の自宅に移し、さら…

衣装博物館@ドレメ通り

そのドレメ通りをさらに進んでゆくと、また左手に何やら古い装いの建物が見えてきました。これは杉野学園衣装博物館、とあります。 ミラノのスカラ座博物館で、舞台衣装の展示を見たことをふと思い出しました。日本にもこんなものがあったのですね・・・ここ…

ドレメ通り散策

目黒の駅近くに、通称ドレメ通り、という服飾学校校舎の並ぶ通りがあります。昔はドレメ、今は学校法人杉野学園が経営する杉野服飾大学、同短期大学が校舎を構えている様子です。そのドレメ通りを歩いていくと左側に写真のような洋館が見えて来ました。今時…

優雅なひととき@デパート

コンサート帰りに、半蔵門線の三越前駅がちょうど乗り換え駅となった。あそこは乗り換え時に一度改札を出ると、30分以内なら、出歩けてしまうので、つい地上の日本橋の風景を眺めてみたくなり、上へ上がった。日本橋を脇目に、三越本店前に差し掛かると、出…

エルダーフラワーのこと

先日、お店でスイスから輸入のリコラキャンディーを目にしたとき、いつも買う味とは違う種類のものを初めて購入しました。紫色のパッケージのエルダーフラワーというものです。ほかのリコラのシリーズと同様に、スイス原産の13種のハーブに、このバージョン…

強者どもが夢の跡?!

ところで、私たちは今回、ウィーン楽友協会ホールの立ち見席でウィーン・フィルのジルヴェスターコンサートを鑑賞したわけですが、まずは、この写真に見えますバーをご覧いただきたいと思います!これは左側かなたにある舞台に向かって、立ち見席の左右の空…

シュテファン寺院のマリア様

シュテファン寺院のマリア様、またウィーンに来られました!ありがとうございます!!お礼のご挨拶をして、シュテファンをあとにして宿に戻ります。いつ見ても壮麗な寺院です。

お馬さんたち

寺院わきには、観光用の馬車が何台も控えています。お馬さんたちはとても従順に並んでいました。ふと車を避けてお馬さん側に行ってしまったときには、びっくりさせないように気をつけてそっと側を歩きました。今日もご苦労様です!

街のケーキ屋さん@吉祥寺

何と可愛らしいお店なのでしょう。吉祥寺駅から八幡宮前交差点についたところを左折、五日市街道を進んで成蹊学園に着くすぐ手前の左角に、一軒のケーキ屋さん。正確なお名前はA.K.Labo:patisserie+Cafe et Galerie。その名の通り、一階にはケーキやクッキ…

東京スカイツリーとワーグナー

今日になって、「東京スカイツリー5月22日開業」の文字が東武系列のポスターで目に留まりました。5月22日とは見覚えがあります。そうです、ワーグナーの誕生日だった日です! うちでバラがたくさん咲いたと喜んでいましたが、スカイツリー開業というビ…

サハラの紅い砂

先日来の黄砂のニュースで、ふと思い出したことがある。 留学中、ある日、アパートから通りに出て歩き始めると、雪解け水だったか、雨上がりだったか、記憶が定かでないが、とにかく路上の水溜りに縁取りのように、紅いレンガ色のような色がついていた。何だ…

マフラーはコートのお袖に

今年は日本も寒い冬になった。各地に大雪のニュースもある。 ドイツの冬を初めて経験したのは、長期滞在の留学でシュトゥットガルトに住んだときだ。それ以前に、夏や初秋に渡欧したことはあったが、コートを着る「冬」はそのときが初めての経験だった。 大…

ベネズエラのエル・システマ

今年、エル・システマという言葉を聞いたのは今日が2度目だ。1度目は夏のサイトウキネンフェスティヴァル松本のチケットを手配していた最中、演奏会の指揮者ディエゴ・マテウスの名が目に留まった。その人のプロフィールにエル・システマが生んだ指揮者、と…

万霊節の日に

最近、電車に乗る日が増えて、おかげで昨年の夏以来、読んでいたダンテの『神曲』をついに読破しました。昨夏、「地獄編」、ついで「煉獄編」、その後、「天国編」を読み始めたところで、なぜか穏やかな天国は、さして問題ないような気がして安心してしまい…

地球は青い星

以前に、ボンのベートーヴェンハウスの入り口わきの壁に取り付けられている謎の装置について書いた。何に使うのか、私と同世代の一緒に見学したドイツ人にもわからなかったものだ。 この度、ある会合で私の留学や旅の経験を音楽の話題と共にご紹介する機会が…

ロッシーニ『セビリアの理髪師』に思う

私はロッシーニが好きだ。昔、芸大の入学試験で自由曲として歌ったのも『セビリアの理髪師』からロジーナの登場のアリア「今の歌声は」だった。 私は留学・旅のブログをこうして書いているわりには、飛行機でヨーロッパに飛んだ回数はほんの数えられるほどで…