鱈はバカリャオ?

先日、ベルギーの旧知の恩人ともいえる知人がお仕事関係で来日した折、東京で再会がかなった。その知人との食事中、ビールを頼んだら、「つきだし」に明太子数種類が出てきた。レモン味とか激辛とか昆布だし漬けのようなバリエーションで。これは何か、というのでまずは魚の卵であることを伝える。この日の会話は英語。かつて準一級までとった私だが、その後、ドイツ語やフランス語、イタリア語を習い、ドイツには長期留学もしたので、英語は正直なところ、使うのが一番少ない外国語となり、以来、どうにも出てこない。(といっても準一級を取得した頃、鱈を英語で言えたかどうかも実は記憶にない・・・笑)
 
そんな私に「鱈」の外国語としてまず頭に浮かんだのは「バカリャオ」だった。つまりポルトガル語だ。子供の頃、ブラジル生活で親しんだ言語で、その後も料理の名前などで家で話題になることが多いので、すぐに出てくるのだ。でもスペルは覚えがなかったので、今調べてみると "bacalhau" だ。ちなみにスペイン語も似ていて、"bacalao"となる。そして肝心の英語ではどうなるのかというと、"cod" となっている。鱈子は魚の卵である "roe" が複数形になって連結し、"cod roes" となる。しかし、このあたりは、お互いに外国語としての英語でコミュニケーションを取っている場合、相手にもピンと来る語彙があるかどうかも問題になる。
 
要は、魚の卵であること、その魚は鱈であること、が伝わればよし、ということで、私はとっさに出た魚の名前バカリャオで切り抜けた。これは先方にも伝わった(ようだ)。
 
とはいえ、英語も思い出して、ブラッシュアップしておかなければ、と思わされる一夕となった。