ファン・ダイクのこと

そのベルギーの知人のお話の中に、現在お住まいの地域について、堤防(dike←英語)の上にある街で、云々、という説明を聞きながら、ファン・ダイクの名を思わず口に出した私。あれと同じダイクですか?と(笑)。確かその昔にベルギーを案内して下さった折、絵画展や銅像でそんな名前の画家のことを聞いたような気がしたからだ。そしてその画家には兄弟がいた。これも今日になってゆっくり調べてみると、ことは少々、複雑だとわかる。
 
まず、私が口にした名前のファン・ダイク (Van Dyck) は1599年から1641年に生き、ルーベンスに学び、17世紀のフランドルを代表する画家となった人物。
 
そして、かつて私がお話に伺った兄弟の画家は、それよりさらに時代を遡る15世紀前半にかけて生きた、同じくフランドル出身の画家兄弟ファン・アイク (Van Eyck) であり、油絵技法を発明したことで、美術史上の貢献が知られている。これがイタリアに伝わったというのだから、本当に重要な発見である。特に弟の名前ヤン・ファン・アイク (Jan van Eyck) は有名である。
 
こういうことは、いつか時間のあるときに調べてみよう、などと思うものだが、この機会に忘れないうちに書き留めておこう。
 
ところで、発想のきっかけとなった英語で「堤防」を意味する "dike" と彼らの名前 "Dyck" は直接は関係ないようだ。