歌舞伎観劇

昨日、来日中の旧知のドイツ人の知人とそのご友人と一緒に、歌舞伎座での8月公演初日を楽しんだ。これは本当に面白かった。本当に久しぶりの歌舞伎。まだ祖母が元気だった頃、母と三人で行ったことを思い出す。
 
演目は「こもちやまんば」と「権左と助十」。
 
最初の演目が終わるとお昼の休憩となった。一緒だったドイツの方が、現在、ジャカルタ在住の方であり、自然とジャカルタの芸能文化との比較のお話にもなる。この演目の幕切れ近くに、沢瀉姫を力ずくで奪おうと手下を従えて現れる悪者の顔がオレンジ色に近いような赤に塗られていたのだが、この時、ドイツの方がおっしゃることには、インドネシアはバリ島の演劇でも悪者は赤い顔で出てくるのだそうだ。なるほど、何かそういったルーツには同じ東洋の芸能としては共通するルーツがあるのかもしれない。インドネシアと歌舞伎とにそのような共通点が出てくるとは考えてもみなかった。詳しくはきちんと調べてみないとわからないとはいえ、興味深いものである。
 
この「こもちやまんば」が伝統的な歌舞伎らしい衣装、立ち回り等があっがのに対して、後半の「権左と助十」のほうは、テレビの番組でも見たことがあるような、時代劇風のコメディであり、若者同士の喧嘩あり、夫婦喧嘩ありで、こんなものも歌舞伎にあるのか、と意外な気がした。こちらは大正時代に初演された新歌舞伎というのだそうだ。
 
それから驚いたことには、一日に全部で3部の異なる演目(各部2演目、合計6演目)による公演体制で、それが連日続くわけだが、複数の結構メインの役者が、一日のうちに2つか3つの演目に出演している、ということだ。これはかなりな重労働というか、仕事量だと驚かされる。オペラだったら出ずっぱりのワーグナーの役を毎日やっているような分量になりそうな感じで驚いた。これが伝統のペースなのだろうか・・・