不思議な対話・・・

ドラマ「とと姉ちゃん」も今週で終わった。昨日土曜日の最終回では、昔に亡くなったとと姉ちゃんの父親がとと姉の出版社に登場、ひとりとと姉は父と対話をしていた。父亡き後、会社がここまでになるまでのこと、家族の歩んできた人生のことなどを。幽霊にしては随分とはっきりと登場していて不自然だなあ・・・と思わなくもない状態で見続けていると、やがてとと姉の目覚めの場面。これで、そうか、夢に見たのか、とわからされた。
 
私の昨今はというと、昨日は帰宅後にゆっくりしてテレビを見たわけだが、次回の演奏会に向け、プログラム構成を練る日々になっている。案として練る段階ももちろんあるが、今度はそれがどの程度、現実味があるのかを歌って試していく作業も必要になるので、この段階は、本番前と同じくらい、結構、濃密な日々となる。通して歌ってみるとどうなるか、など、結構、ヘヴィーである。
 
ところで、そのような過程で、取り上げる確率が高くなってきた曲については、例によって歌詞の読み込みも始まる。昨日の外出では移動の電車の中で行き帰り、ドイツ語の歌詞のプリントを手に、腑に落ちない単語などに鉛筆で印をつけて、次の勉強にそなえる準備を進めた。
 
さて、そこで印をつけた単語の一つに、ドイツ語の "Zwiesprach" という言葉があった。元来 "zwie" は数字の2である "zwei" に関連して、「二つの」という意味を持ち合成語を作る言葉である。"Sprach" は "Sprache" として辞書に出ている「言葉」を意味する単語である。この二語が繋がった "Zwiesprach" を辞書をひいてみると、女性名詞で "die Zwiesprache" の形で載っており、意味は、文学用語であることを示す印とともに「(多くは想像上の相手との)対話」となっている。
 
ちなみにそのドイツ語の歌詞の文脈では、主人公が自分の苦悩と対話をするばかり・・・という内容である。とと姉ちゃんのその場面は、随分長く一緒に語らっている感じだったから、またニュアンスは多少異なるかもしれないが、こんな雰囲気のことに二日続けて出くわすとは、奇遇だと思う。このようなちょっとした気づきは、そのとき書き留めておかないと、意外と忘れてしまうものである。目覚めるとそれまで鮮やかに見ていた夢を大抵は忘れてしまうことに似ているかもしれない。