アプリコットジャム入りチョコレートケーキ

最近ウィーンに旅行した友人のフェイスブックでの写真に触発されて、懐かしい思いでが蘇り、ウィーンに行ったときの自分で撮って来た写真を改めて眺めてみたり、ガイドブックの記事を興味深く読み直してみたりと余念がない。私は得に夢中になったときの集中力には長けているように思える(笑)。
 
さて、ガイドブックでも紹介されているウィーンの代表的スイーツ、ザッハートルテについての由来を読んだ。ホテルザッハーとカフェ・デーメルがそれぞれザッハートルテのオリジナルを名乗って争いになったこともあったとか。今ではどこのカフェにもあるものになったが、ザッハーのものはアプリコットジャムが入っていて、デーメルのものには入っていない、という違いがあるそうだ。
 
さて、このアプリコットジャム入りのチョコレートケーキ、というとはるかかなたに思い出がある。それは、中学か高校のとき、文化祭だったかバザーでのカフェで出すケーキを皆で手分けして手作りで家で作ってきたものを振舞ったことがあった。このとき私に割り当てられたのはチョコレートケーキだった。もらったレシピにはアプリコットジャムを挟むようになっていた。最後にケーキの外側をチョコでコーティングして終わる。このコーティングが結構難しくて、チョコが上手に薄く伸びずに固まってしまうと、召し上がる方が上品でフォークでさくっと切って食べようとしても、固くて切れない、という事態になる。実際これも経験した。成功作、不成功作はともに振舞われたが・・・
 
手間はともあれ、この時のチョコレートケーキは甘酸っぱいアプリコットジャムとの組み合わせが絶妙な味で、実に美味なものだった。
 
考えてみれば、これがザッハートルテそのものではないか!、と今日、改めて思った。そう、ホテルザッハーから、出来の悪さでクレームがつかないように、名前こそ、ただの「チョコレートケーキ」だったけれども・・・
 
ドイツ長期留学から帰国する際、私の取った学生向けの格安航空券はウィーン経由のオーストリア航空だった。ウィーンでの数時間の長い乗り継ぎ時間も、お世話になった方にウィーンの絵葉書でご挨拶状を空港のポストから出してみたり、お土産物店を眺めて歩いたりであっという間に過ぎた。この時、私が自宅にお土産に持ち帰ったのも、あの木箱(でも予算がなかったので・涙・まあるい小さな木箱)に入ったザッハートルテだった。赤白のオーストリア国旗の配色のリボンがかけられていた。
 
その後、ウィーン再訪の機会もあったけれど、まだゆっくりとカフェを巡ったり、様々な歴史的建築物を見尽くす程には歩いたことがない。またいつか訪れてみたい街のひとつだ。