ケルトからワーグナーまで

さて、先の記事にケルト遺跡の博物館のことを書いた。ところで、改めて、ケルトなるものを世界史辞典で調べてみると、興味深いことが書いてある。ケルト人は古代インド=ヨーロッパ語族のひとつ。紀元前10世紀ごろから現住地のライン・エルベ・ドナウ河の間から出て、その後、ガリア、ブリタニア小アジアにまで広がった。次第にローマの支配下に入ってゆくが、今日のアイルランドウェールズブルターニュにその言語、風習は残った。同様にケルト人の神話・伝説もこれらの地に伝承され、中世の文学に影響を与えた。12世紀頃に北フランスで物語化された口語文学のアーサー王伝説はその最たるもので、そこには円卓騎士、聖盃伝説などの物語が付随しているそうだ。ああ、それはワーグナーパルジファル」の世界ではないか!
 
留学の最後に触れたケルト遺跡が、ワーグナーにまで繋がっていようとは、当時は想像もつかなかった。ヨーロッパの文化はかくも脈々と繋がっている。そして私のワーグナーローズ。人生は小説よりも奇なり。奇跡的でさえある。豊かな文化に乾杯!