ケプラーの街ヴァイル・デア・シュタット

シュトゥットガルト留学時代の古い写真をスキャンしている。2003年のものだから、もう10年も前だ。郊外にヴァイル・デア・シュタット(Weil der Stadt)という古い街があった。ここにはシラーの生まれたマールブルクと同様に、城壁も残る歴史的な佇まいがある、と知人から聞いていたので、時間のあるときに、ふらりとSバーン、いわゆる普通列車に乗って出かけた。私の住んでいた最寄り駅から30分くらいなものだった。
 
駅から旧市街に向かって、何となく歩いていく。ヨーロッパの常で、大抵、鉄道の駅は旧市街の中心地とは離れている。古い街が保存されているのだから、当然だ。
 
やがて街の広場らしいところに着く。銅像がある。近づいてみれば、ケプラーと書いてある。あの歴史上の天文学者ケプラー(1571ー1630)はこの街で生まれたのだ。これは知っていて出かけたのではなく、行ってみてわかったことだった。小発見の気分!
 
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この広場の一角、写真の高い塔の麓の大きな家の左側2軒目(ほんの少しだけ見えている)がケプラーの生家である。中は小さな展示室として決まった時間、公開されている。シラーのときと同じで、意外に小さな家だ。
 
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ケプラーは太陽の回りをまわる惑星が円ではなく、楕円軌道であると発表した。
 
この街には、実は私は何回か足を運んだ。古いメルヘンチックな街並みにとても親しみを覚えたからだ。ほかには何もないが、一軒、「アイス(Eis)」の旗の出ているジェラート屋があって、初めて訪れたとき冬だったにも関わらず、クーゲル(コーンのこと)一個90セントを買って食べた。美味しかった!
 
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やがて日の暮れないうちに、鉄道駅に向かって帰途につく。街の外壁は残雪に囲まれていた。
 
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