日の昇る国、日本へ

ドイツでかつてお世話になった劇場からのとあるEメールの最後に、決まり文句の挨拶と一緒に、「日の昇る国、日本へ」と書いてありました。

日本とヨーロッパ大陸の距離も実感しますが、自分のいる国がコロンブスの時代から変わらず、こうしたイメージで見られているのだと知って、嬉しい気持ちにもなりました。

私たちは「日の昇る国」の人なのです。

いくらヨーロッパが西にあるからといって、返信に「日の沈む国へ」とはちょっと書けません。(ちなみにドイツ語には、西欧のことを「夕暮れの国」(Abendland)という言い方があります。これに対する言葉は東方の国、中近東の国などを指す「朝の国」(Morgenland)ですが、日本に関しては「日出ずる国」(das Land der aufgehenden Sonne)と特定する言い方があります。「日出ずる」、つまり「日の昇る」という幸先のよさそうな、希望ある形容にふさわしい土地に生まれたこと、よかったな、と思いました。

こうしてたまに、ふと日本が客観的にどう見えているのかを実感できる事も、国際交流のおもしろいところなのかもしれません。