靖国通り散歩

昨日、市ヶ谷から靖国通りをひたすらに九段下方面に向かって歩いた。

昔の学校帰りの寄り道の楽しみだったシェ・リュイというジェラート屋さんに立ち寄ろうと思ったけれど、残念ながらもうなくなっていた。

それからcafe de crieがこの通りには何軒もあることに気付いた。2件目でコーヒーを飲んで、バナナのはさまったワッフルも食べてしまった。

それからとなりのコピーショップkinkosで製本のことをたずねたりして、再度、散歩開始。
右側に、カルメンという名のイタリア料理のトラットリアが登場。メニューインフォメーションをもらった。

さらに先にいくと、洋菓子屋さん、テレビのはなまるに出たとかいうハート型のパイも売っている。ホワイトデー向けのギフトだろう。ゴンドラサブレというのもあった。スポンジケーキが売りなようだ。宅配の配送用にたくさん積みあがっていた。

それからこんどは和服の店先にかわいい小物を見つけて、また道草。今度は西陣織をつかったちいさなオレンジに近い色のお財布をプレゼント用に購入。古い和風の店先に感動して、今どきこういうのがのこっているのは珍しいですね、と包装してくれているお店の旦那さんとトーク。「おとなりの宝来屋さんと家くらいなんです、この区域はもう、木造建築が禁じられてしまいましたので」、とのことだった。立て直すときには、昔ながらの純木造建築を再現することはできないということだ。店先の奥に見える茶の間など、私の祖母の家のようだ。残念だなあと思う。

かわいらしいお土産ができましたね、といわれて店を出て、すぐにその宝来屋さんがあった。がらがらっとここも引き戸をあけてお店に入った。昔ながらのガラスケースにお菓子がこじんまりとならんでいる。松風という名の細長いクッキーが2まいずつ子袋に入っている。壁にはこの商品「松風」がなにか賞を受賞した賞状が飾ってあるのが目に入った。「これ、クッキーですか?」ときくと、バターは使っていないとのこと。これなら我が家へのおみやげにもなる。購入を決めたが大きな箱で買うほどの買い物をするつもりはなかったので、もう少し小さいの、ありませんか、と聞いて見たら、ばらで一本から売ってくれるとのこと。学校帰りに1本買ってそのままおやつにすることもできるんだなあ、と思った。数本購入、ついでにおいしそうな栗の形のお饅頭も。

あとは左に靖国神社が見えてきて、右に千鳥が淵への入り口、田安門。ふと水辺のさくらの木をみると、冬の枯れ木とは違って、まだつぼみも花もないけれど、すでにつぼみのもとのようなものがついていて、木々がほんのりと春の息吹をかもしだしているのが見えるようだった。こんな木の見方を私は留学中、ドイツ人のおばあちゃんから教えてもらった。

そのあとは地下鉄の駅に3つの路線の標識が見えて、都会の現実に戻った。