ワイマールの陽光

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7月、ドイツのワイマールにあるリスト音楽院主催のマスタークラスに参加しました。私が参加したのはドイツリートのクラスで、講師はテノール歌手で2005年12月で歌手としての現役を引退されたペーター・シュライアーさんでした。

まずは初日に講師の先生の前で歌ってから、受講できるかどうかが決まる、という形式で、先が何もわからないままの出発でした。家族以外には殆ど誰にも話さずに、2年半ぶりのドイツに密かに、でも思い切って飛び立ちました。

フランクフルトに降り立って、そのまま列車でワイマールに向かいました。この路線は、私が初めてドイツの地を踏んだとき、利用した路線で、そのときはワイマールを通り過ぎましたが、今回は、この街に滞在することになりました。旧東独に属する、テューリンゲンの森の地帯にある街で、ゲーテ、シラー、そして作曲家リストも暮らした歴史的に有名な街です。

初日のテストにパスして、毎日、公開のレッスンを受けられることになりました。場所は音大の施設の一部となっているパレ(Palais)と呼ばれる館のような建物にあるホール。窓から明るい木漏れ日の射すこの会場で、ドイツリートの世界を堪能しました。最終日には、写真にある「領主の館」と称する、これも音大の校舎として使われている建物内にあるホールで、修了演奏会に出演することもできました。

そんなに派手な歌を歌ったわけでもないのに、なんでこんなに割れるような拍手がもらえるんだろう、と不思議に思いながら、一輪の薔薇と修了証書をいただいて舞台を降りました。写真は最後の演奏会の会場となったホールがあった建物です。垂れ幕はこのマスタークラスの開催を示すものでした。

私の次の本番の予定は、12月、母校であるプロテスタントの中学、高校の同窓生のためのクリスマス会です。偶然ですが、シュライアーさんの本拠地であるドレスデンの有名なオルガンメーカの人がはるばるやって来て作ったパイプオルガンとの共演になります。帰国後、早速、リートの復習、12月のプログラム整備と練習に取り組んでいます。時間があると思っても、次々取り組まないと意外とすぐに日が迫ってしまうものです。