シュヴァルツェンベルクの木の下で

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オーストリアの小さな村シュヴァルツェンベルク。この街にはへルマン・プライが創始したシューベルティアーデというリートと室内楽の音楽祭が何十年と根付いている。電車の便はないから、地元のバスに乗る。今をときめくスター歌手のうち、リートも歌おうという意欲的な歌手たちが招待されて、毎日2つか3つ演奏会があるようなプログラムに次々と名を連ねる、すばらしい音楽祭だ。

こんな自然の中で、歌う人も聴く人も、心身ともにリラックスして、またとない音楽体験の時を過ごす事ができる。

私はマスタークラスの後、この音楽祭に立ち寄った。偶然にも、私の参加したイン河のほとりでのマスタークラスを聴講にいらしていた、北ドイツから自らの運転でいらしているというドイツ人の音楽愛好家のおばさまにも再会して、話がはずんだ。

他に、ノーベル賞を受賞されたことがある、という凄いおばさま(あとでわかった・・・)にも知りあって、三人で一緒に演奏会の合間に夕食を楽しむこともできた。

音楽とは、音を楽しむ、と書く。そんなことは何度も話しに出るのだけれど、その次元で演奏できること、その次元で聴くことができることは、そうめったにない、あれば非常に幸運なことだ。それを助けてくれるような芸術の女神様が微笑んでいるような村、それがシュヴァルツェンベルクだった。