シューベルティアーデ

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これがオーストリアのシュヴァルツェンベルク、シューベルティアーデの中心的開催場所となっているアンゲリカ・カウフマン・ホールです。スイス生れでこの地に暮らし、アトリエを持って絵を描き、晩年はローマに行って没した、という女流画家の名を冠した木造のホールです。

こうして写真で見るとただの山荘のようですが、驚異的な音響のホールです。演奏者が超一流なので、当然ともいえますが、どんなに後ろにいても、リートの歌詞、小さなニュアンスまですべて如実に伝わってきます。

ちょっとおもしろいのは、開演直前に外の景色の見える窓に、自動でブラインドが降りることでした。美しいものはひとつで十分、あちらにもこちらにも目に入るのはよくない、ということでしょうか。観客は、演奏中は、外の美しい景色からは視覚的には遮断されるのです。

チケットにはあらたまった場にふさわしい服装にておいでください、と書いてあります。そうでもしないと、昼間のハイキング姿で来てしまう人がいるからかもしれません。私も宿に戻って、着替えてから出かけました。

超一流の芸術家との音楽体験、という晴れの場を楽しみに、華美ではありませんが、品のよい雰囲気が客席にも漂います。