ブレゲンツの塔と礼拝堂

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ブレゲンツの門を入ると、その中は中世そのまま。かわいらしい家々の側にマルティンの塔が建っている。屋根のドームは四角を残しつつ、先をつまんだような不思議なエキゾチックな形だ。この塔のふもとにはマルティンの礼拝堂がある。写真で、黄色いお花が咲いている所にある、木のドアが入り口だ。

ドアを触ってみると開いたから、中に入ってみる。14、15世紀の壁画が残っていると街のパンフレットに書いてある。小さな階段がついているので、二階へ登ってみた。狭い2階席。ここで聖歌隊が歌ったりもするのかもしれない。でも今は階段から見るだけで立ち入り禁止。

あまりの静けさに時を忘れる。ふと何か歌ってみたくなって、マーラー「復活」第4楽章のソロ「原光」を無伴奏で歌ってみた。この曲は2006年、2007年とオーケストラと歌う機会があって、さらに、ここブレゲンツに来る数日前のマスタークラスでも、先生からリクエストされて歌ったものだった。

そのうちに、がやがやと観光客らしき人たちの声と共に、下の入り口のドアが開く音がしたので歌うのをやめて、ゆっくり階段を降りた。そこにいた数人の人たちは、二階を見上げながら私の顔と見比べていた。多分、ちょっと歌が聞こえたけれど、こんなちっちゃなアジアの女の子があんな歌を歌っていたはずないなあと、けげんに思ったのかもしれない。