満月に見守られて

イメージ 1写真だととても小さくなってしまうけれど、日本からの往きの飛行機がロシア上空にのると、右手には夕方の空に満月が見えてきた。まるで旅に同行してくれているかのように、常に右手に見えていた。
 
私が初めてウィーンを見たのは、かれこれ20年前に大学の秋休みを利用して、初めてヨーロッパに旅に出たときだった。
 
そのときは、往きの飛行機で著名な天文学の先生が偶然お隣となり、たくさんの楽しいお話を伺ったものだった。前にもこのブログに書いた、故森本雅樹先生だ。天文の電波望遠鏡のお仕事でよくロシアにいらっしゃるとのことで、ロシア上空では、ほら、あれがツンドラ、とか、川の蛇行のこととか、はたまたご専門の宇宙のこととか、盛りだくさんだった。あのときは私たちの飛行機はモスクワに着き、そこで先生とお別れ、友人と私は乗り継いでパリに向かい、ザルツブルク、ウィーンと旅をして帰国した。
 
ウィーンへはその後、ドイツ留学中にマスタークラス参加で訪れて滞在する機会はあったが、日本から行くのは本当に久しぶりのことだった。いろいろな思い出がよぎった。