アルプスのすみれ

最近、自転車で少しずつ年賀状を出しに郵便局へ行くと、商店街の側に出た花の露店にいろいろな色の鉢植えのシクラメンが並んで売られています。

ドイツではシクラメンのことを「アルペン・ファイルヒェン(Alpenveilchen)」といいます。直訳するとアルペンはアルプス、ファイルヒェンはすみれ、のことですので、つなげて「アルプスのすみれ」ということになります。なんて夢のあるかわいい名前なんでしょう。

でも辞書で調べましたが、シクラメン(cyclamen)は「地中海沿岸原産、観賞用に栽培」と書いてあります。アルプスに本当に咲く花ではなくても、イメージからこういう名前がついているのでしょうか。ドイツ語の花の名前の中で、一番感動したのはこの「アルプスのすみれ」でした!

私は帰国の日、朝5時には家を出たので、1階下に住んでいた大家さん一家には前の日の晩にお別れのご挨拶をして、朝は、一人で静かに旅立ちました。自分で買って最後まで育てていた真っ赤なシクラメンの鉢は、何もかも片付けて殺風景になったお部屋のテーブルの上に残してきました。ずっと忘れていましたが、今日、ふとその「アルプスのすみれ」のことを思い出しました。

みなさまどうぞ良いお年を!