カルメンのこと

昨年末、部屋の片付けをしながら、ふと昔?!、オペラに出たときに買った名作オペラブックス「カルメン」が出てきた。そのときはメルセデスという役だったけれど、なんとなく、新しい年はカルメンを歌うようなこともあるような気がして、その出てきた本を手に取れる場所に移しておいた。

勘が当たったのか、1月29日に友人(女性)の披露宴に友情出演で、何と曲目はその友人本人の希望により、カルメンの「セギディーリャ」になった。

実はこれは初めてではない。学生の頃同じカルメンに出てくるメルセデス役をやったとき、オーディションで歌ったのはやはり「セギディーリャ」だった。それから留学中、ウィーンでオペラ・アリアの講習会で、いろいろなアリアを毎日ホールのようなところで仲間同士で見学する中、歌って学んだが、そのとき、日程の終わりの頃に、もう出し物がなくなってきて、一番似合わないかな、と思ってしり込みしていたカルメンの「セギディーリャ」を歌ったら、ドイツ人、スペイン人、などインターナショナルな参加者から、いいね、と声をかけれらて、意外な気がしたこともあった。昔、授業でスペイン歌曲を歌ったときにも、仲間から「・・・さんの隠れたラテンの血が!」といわれた。私にはラテンの血こそ入っていないけれど、父の転勤でラテン系言語圏に5年間育った経験があるので、そんな空気が少しはしみついているのかもしれない。ビゼーカルメンはフランス語だけれど、この機会にスペイン語の辞書も紐解いてみたりした。

カルメンがそこにいるような歌になったら、と思って、絵に描いたり、思い描いたりしながら練習して、ひとつの人物像を創っていくのは本当に楽しい。