チーズの免許証

何年も前になるが、初夢におもしろい夢を見た。

名前を呼ばれるのを待っているような待合室。そこで、自分の名が呼ばれて何かをもらいにいく。手にしてみると、それはチーズ鑑定の免許証だった。ワインのソムリエのように、チーズを判別できる能力に対して出される免許証のようなものだった。

さて、この初夢のあと、急にチーズのことが気になりだした。そんな資格もほんとうにあるのかもしれない、と思って図書館へ。ヨーロッパに一箇所だけ、チーズの免許を出す施設があるらしいことがわかった。それに、ついには銀ブラのついでに近藤書店で「チーズ図鑑」文藝春秋編、という本も買ってしまった。

いつか暇になってやることがなくなったら、チーズの免許証を取りにヨーロッパへ行こう、なんて思うのは、よい息抜きになる。カルメンの歌詞にも「話してなんかいない、考えていただけ。考えるのは自由でしょ」というくだりがあった。免許は取らなくても旅をしながらその土地のチーズを食べて歩いたら楽しいだろうなあ、とも思う。

でも、今の私の一番やりたいことは、楽譜、歌詞と向き合って、自分の声と感性を駆使してそこに息吹を吹き込んでいく楽しい作業だ。これは音楽を聴くこととはまた違う種類の楽しみなので、どんなに忙しくても、そういうふうに、自分が音楽に取り組める時間を大切に守っていきたい。

それにしてもチーズっていうのは色々あるのだということを、この本を通して知った。