ローマとシエナの街のシンボル

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イタリアのシエナの街にはあちこちに、人間の二人の子供が狼のお乳を飲んでいる姿の像があります。これは、知る人ぞ知る伝説で、狼に育てられたというロムルスとレムスという双子の兄弟です。写真の右上、柱の上にもあります。これはシエナの街のドゥオーモ前の広場にあるものです。

ロムルスとレムスの二人は、ローマを建国。その後、勢力争いで兄ロムルスは弟レムスを殺してしまいます。しかし、レムスにはすでに二人の子があり、この二人が白馬と黒馬に乗って北へ逃れて、打ち立てた街がシエナだったのでした。

そこで、この狼の乳を飲んでいる双子の像は、ローマのシンボルであると同時に、シエナの街でも、やはり「おらが街」のシンボルとして掲げられているのです。

ロムルスとレムスは、軍神マルスが、アルバ・ロンガ王国の王の娘で、「ヴェスタの巫女」にされていた乙女レア・シルヴィアとの間にもうけた双子の兄弟でした。勢力を恐れて川辺に捨てられたこの双子は、自分の子を不憫に思った軍神マルスが遣わした雌狼の乳で育ち、やがて羊飼いに発見されて成人し、その後の勢力争いへと進展していきました。

私は5匹の猫と生活を共にし、母乳で育つところも見てきたので、このような雌狼が人間の子に乳を与えた、というお話にはとても親しみを覚えてします。