カール・ツァイスの街イェーナ

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光学レンズの制作で知られるカール・ツァイスの街イェーナ。カール・ツァイスはこの街でレンズの工房を持ち、店を構えました。光学博物館では、当時のツァイスの事務室(秘書もコンピューターもなく、ひたすら事務処理も自分でこなしたそうです。)、そこから見下ろす形になっている工房には、足踏みで回転させてレンズを磨く機械などが並び、多少の実演を交えて解説してくれるガイドのお兄さんがいました。

さて私には、父の趣味の影響で、「カール・ツァイス、イェーナにあり」、とインプットされていたので、ワイマールから電車で30分ほどのイェーナへ出かけて行きました。(実はオーディションの前日でした。でもこの日しか遠足をする時間はないと思ったので・・・。)イェーナには他にも魅力がありました。シラーの家です。

「シラーとゲーテの往復書簡(1794年から1805年)」は一冊の本としてドイツ語で出版されています。ゲーテがワイマールに、シラーはイェーナにいたときに、この手紙のやり取りは始まっています。シラーも晩年にはワイマールに居を構えましたが、それまではイェーナとワイマール間を手紙が行き来したわけです。

書店で購入して、ちょうど私の滞在中の日付のところを開いてみました。同じような夏の陽光のもと、ゲーテからの手紙は翌日にはシラーの返信として続いていきます。すごいペースです。手紙文というのは、相手に語るように書かれているので、この二人の大文豪が書いたものにしては、意外にもすんなりと読むことができるのでした。

イェーナのシラーの家には大きな庭があります。その庭の一角にシラーは小さな塔を建て、そこが創作の場となり、「マリア・ステュアート」や「ヴァレンシュタイン」が書かれました。(写真1)

庭には石の円卓とベンチがあり、ゲーテとシラーはしばしばここに座って歓談したといいます。(写真2)正面に見えている黄色い四角い家がシラーが妻子と共に住んだ家です。


私が訪問したときは、ほかに訪問者もなく、静かに一人、思いを馳せる事ができました。