てんとう虫

9月下旬のある日、帰途につく駅に降りたとき、虫の音が聞こえてきました。虫の鳴く季節になったなあ、と思うと、夏の暑さからもこれでようやく解放される、とほっとします。そんな日本とは違って、ドイツの街では、虫の音を聞くことはまずありませんでした。

でも部屋にてんとう虫が舞い込んでいたことがあります。ドイツではてんとう虫はクローバーの葉と組にして幸運の象徴です。演奏会で頂いて、部屋に飾っていたお花に付いて来たのかもしれません。人差し指の先にのせても指先がたくさん余るような、小さなてんとう虫でした。

幸運の象徴、その後、どんな幸運があったのか、具体的には何も覚えていませんが、何かいいこともあったかなあ、と、のどかに思いを馳せます。