ブレゲンツのネックレス

旅の間に、いつも小さなペンダントトップを付け替えながら使っていた、シルバーのネックレスの留め金部分が壊れてしまいました。そのときは、チロルの田舎にいましたし、毎日、マスタークラスで歌のレッスンを受けたり、聴講したりで、お買い物には、自分のお昼のサンドイッチや、宿で食べる果物を買うくらいの時間と労力しかかけられませんでした。

マスタークラスも終わり、シュヴァルツェンベルク音楽祭シューベルティアーデに立ち寄ったあと、移動中のある日、ボーデン湖畔のブレゲンツに出ました。そこまでいかないと電車がなかったのです。電車に乗る前に、湖畔の街を散策しました。美しいところです。すると、時計やアクセサリーを扱っているお店の前を通りかかりました。奥でお店のおじさんが時計の修理をしているのが見えます。入ってみました。シルバーのネックレスを見せて下さい、というと、いろいろな長さのものを出してくれました。ためしに首につけてみて、ちょうどよい長さのものがありました。

これ、買います、と言ってその商品を一度首から外そうとすると、そのまましていきなさい、とのこと。お値段を確認して、15ユーロでおつりをもらって、そのまま旅を続けました。

小さなお買い物ですが、思い出に残る自分へのお土産になりました。