エンガディン・トルテ

先日、東京麹町にある母校に恩師を訪ねた。その折、近くで手土産を、と思ってあたりを見回す。ちょうどビルから通りに出てきて、タバコを吸って休憩なさろうという方に、「この辺にケーキ屋さん、ありませんか?」と聞いてみた。するとすぐ近くに、有名なパティシエができているという。

すぐに見つけて入って、綺麗なケーキを眺めながら何にしようかと、お店の中を隈なく見回していると・・・、そこに「エンガディーヌ」と札に書かれて、カットされて売られているトルテがあった。何と、これは、前にこのブログに紹介したことのある、スイスのエンガディン地方のくるみを使った名菓だ。「エンガディーナー」の通称がある。私がドイツでお世話になったおばちゃまと一緒に滞在した懐かしい、スイスのエンガディン地方。そこの名菓に、東京で、自分の母校を訪ねる道すがらに出会うとは、感激だった。それで、その日の手土産はこれになった。(日本のパティシエでそのレシピに従って製造されたもの。)

恩師に入れていただいたコーヒーで、これを一緒に味わい深く頂いた。

ふとしたお菓子との出会いから、私の中に、たくさんの思い出と現在が巡った。