ブクステフーデの魅力

イメージ 1来週、ブクステフーデの受難曲「我らがイエスの四肢 Membra Jesu Nostri」の演奏会が白金台の明治学院チャペルであります。昨年11月にドイツにいたとき、メールで出演依頼の打診があり、ベルリンのインターネットカフェから即、お返事をして、翌日にはベルリンのDussmannという大きな音楽ショップへ楽譜を買いに走りました!といっても版を確認していなかったので、お店にあったカールス版とメルセブルガー版で迷ったあげく、手書き風のメルセブルガーよりも見やすい、標準的な印刷譜であるカールス版を17.5ユーロで購入!しかし、帰国してみると版はメルセブルガー版と判明しました・・・笑・・・まあ、これもよい記念品になります。
 
カールス社はバッハのカンタータ出版で有名になってます。シュトゥットガルトのヘルムート・リリンクさん主宰のバッハ週間、バッハアカデミーでもカールス版を多く使用している様子でした。私もその機会に購入した何冊かのバッハのカンタータ楽譜があります。1冊はリリンクさんのサイン入りです。一緒に演奏した教会の中にいるうちにいただいたものですが、なぜかハートマーク付き!いいのか?!って?。私の名前を入れてくださろうとしたときに、頭文字のスペルYをドイツ風に間違えてJでお書きになってしまい、違います!と側から申し上げたら、じゃあ、こうしましょう!、とその文字を黒く塗りつぶしたハートでカバーされたのでした・・・こういうユーモア、ご年配の方に向かって申し上げるのもなんですが、可愛いらしいくらいです!昨年暮れには何と東京でN響第9の指揮をされていて驚き!世界中で愛されるマエストロです。
 
写真は、その短いベルリン滞在中に、何かと足として利用した二階建てバス!そこはしっかり観光?!いえ、ベルリンの市内目抜き通りを走る市バスは、殆ど全て、2階建てなのであります。写真は、バスに乗り込んですぐに2階にのぼり、ちょうど空いていた一番前に座って撮影したバスからの眺めです。前にも先を行く、同じ2階建てバスが見えます。正面は広島の原爆ドームのように、戦争の傷跡を忘れないために残されている、ベルリン中心部にあるヴィルヘルム皇帝記念教会です。
 
ブクステフーデ演奏会に向け、こんな種々の思い出も頭をよぎります。
 
ところで、ブクステフーデのこの作品は、歌詞の意味、情感を網羅した包括的な抑揚、といったらよいのでしょうか、それに合致した音楽になっていて、素晴らしいです。さすがはあの大バッハが尊敬した先達であります。古楽、というよりも、もっとロマン派のドイツリートに近いような印象すら受けます。器楽の方々との合わせも楽しみです。