ドイツの医者と処方

皆様お元気でお過ごしですか?私はこの暑い夏、元気なつもりでしたが、どうやら昨日から風邪をひいたようです。仕方なく家でじっとしています。昼間あまり寝てしまうと夜眠れなくて困るので、休むのも程ほどにしようと物思いにふけり、前に風邪をひいたのはいつだったか思い起こしてみると、何とまだドイツに留学していた2003年12月のことでした。

2年半のドイツ滞在中には何度か風邪もひき医者に行きました。これは結構おもしろい経験でした。

喉と鼻の奥がヒリヒリと熱を持つように痛くなり、これは間違いなく風邪の前兆だ、と思い、近所の街角の薬局で、「風邪をひいたのでお医者さんに行きたいのですが」と頑張ってドイツ語で聞いたら、すぐ隣がお医者さんだった。

さて、診察室での問診(私が日本から来ていることを確認の上で)
医者:「一日に何リットル水を飲みますか?」
私:「・・・1.5リットルから2リットルくらいでしょうか。」
すると、お医者さんはお部屋に置いてある湿度計を持ってきて、「ほらね、ドイツの冬の室内はこのように湿度が40パーセントに満たない。あなたの故郷、日本とは比べ物にならないほど湿度が低いですから水は一日に2リットルでも少ないですよ。3リットルは飲みなさい。」

それで私の症状は乾燥の為、と判断され、処方箋に書かれたのは喉にしたたらせるハーブのエキスだけ。あとは毎日3リットルの水を飲みなさいということだった。(湿度はそうでも、骨格がドイツ人みたいに大きくないんだから、そんなに水飲むのは大変ですよね・・・。)

でもその次の日は土日か何かで医者は休診。週明けには私の症状は確実に悪化、間違いなく風邪で、熱も出た。だから風邪だと言ったのに、ともう一度医者へ。今度はようやく風邪薬が処方された。3日前から飲んでいればもっと軽く済んだかもしれないのに・・・!!!

歌をやっていて喉は痛いというと、職業柄の症状ではないかと思われがち。でも私は喉が痛くなるほど歌わないし、そういう歌い方もしない。それに何より風邪の時は自分でよくわかるのです。お医者さん、私の言う事も信じて下さいな。歌う都合があるからこそ、前兆を感じたら早く治したいと思ってお医者さんにいくんですから・・・。

今回はオペラの稽古はあったけれど、台風で中止になった日もあって稽古日数の少なかった先週は歩き方や演技が中心で、歌う時間が殆どありませんでした。歌うことが日常になっていると、歌わない日が続くと喉はびっくりして風邪をひいてしまうのかもしれません。困ったものですが、ひいたものは治るのを待つしかありません。

実際、最近、風邪をひいている方をよく見かけました。皆様暑かったこの夏のお疲れがでないよう、どうぞお大事に。