薔薇と聖母子

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「マリア、少年キリスト(そう命名されている通り、幼児キリストより大きくなっている!)に薔薇の花で編まれた王冠を授ける」(画家:ザニーノ・ディ・ピエトロ、フランスのジョヴァニと呼ばれた。1448年以前に没。)

のどかな野で戯れる母子の後ろの左右に立つ背の低い木に、ほんのりとピンクの薔薇が咲き、キリストもそれと同じ色のかわいいピンクの薔薇を3本手にしている。

この絵は、新ユーロを初めて使って入場券を手にして鑑賞した美術館で、私がカメラに収めた数少ない絵の一つである。薔薇の花で編まれた王冠というのがメルヘンチックで印象的だった。そのときはそんなことしか思わなかった。

今になってふと、先日歌ったマーラー「復活」の第4楽章の歌詞がこの絵と重なっているように思われてくる。「おお、紅い薔薇よ」と歌いだすこの「子供の魔法の角笛」からの詩は、永遠の生命への希求を詠う。紅い薔薇は永遠の生命のシンボルで、イエス・キリストを象徴すると、どこかで読んだ。とすると、この絵でマリアが少年キリストに薔薇の冠を授けているのは、そういった背景を象徴しているのかもしれない。

でも私は美術の専門家ではない。この絵の正しい鑑賞法をご存知の方がいらしたら教えて下さい。