収穫に感謝して

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写真はドイツの秋の収穫期に、店先、玄関先などにまるでお正月の門松のように飾られる、野菜などを飾ったデコレーションです。エアランゲンの街の元教会だった会堂前の広場にもありました。かわいいですね。
 
この街では当初、出演者の私たちに、この街に住む女流建築家の方が、ご自分のデザインで建てたという素敵なご自宅を宿として提供して下さっていましたが、郊外で、交通の便が悪く、稽古やリハーサルのための行き来の上で、残念ながら不都合が生じ、結局は、この写真の広場に面している可愛らしい家屋のペンションに滞在することになりました。

でも最初の晩は、私を含む女性出演者3,4名は、そのご婦人宅でお世話になりました。お手製のトマトスープ(トマトと生クリームで作る)とパンで食卓を囲んだのでした。そのご婦人の苗字は「グリム」さんでした。グリム童話のグリムさんと同じですが、ドイツで私が出会ったグリムさんは今のところ、このご婦人だけです。
 
10月半ばからベルリンに滞在するうちに、オルカーンという台風にような嵐がやってきて、翌朝、美しい銀杏並木はすっかり枯れ木へと様変り、冬の到来となり、エアランゲンの街に到着した11月初めには、昼間でもプラス1度と街の電光掲示板が示しているのを見てびっくり、知らないうちに冷えてはいけないと、この街で手袋を調達しました。
 
とはいえ現代のドイツはどこでも暖房完備で、スチーム暖房は室内の空気もきれいなまま暖まり、とても優れていると思います。しかも、外出するときに暖房を切らないのです。寒い国ならではの習慣といえるでしょうか。人が居なくても、石油ストーヴのようには危なくありませんし、何せ、一度冷えてしまうと暖まるのに時間がかかるので、そんな習慣も根付いているようです。
 
2週間の稽古の後に迎えた公演には、この街での私たちの最初の晩をもてなして下さったグリムさんも、もちろんいらして下さいました。