2005-01-01から1年間の記事一覧

過去、現在、未来

このブログには現在の出来事ではなく、思い出を綴っているけれども、それらは何かしら現在につながっているからこそ、私の記憶に蘇ってきた事柄である。 その日の出来事も、それを振り返る夜にはすでに過去のことになっているから、その意味では毎日つける日…

ウィーンからのCD

留学中、シュトゥットガルトで、バッハのマスタークラスで知り合った私の友人、ウィーンっ子のアルト歌手が今、某劇場の日本ツアーのソリストとして来日している。先日、関東地方での公演にあわせて、公演後に一緒にビールで食卓を囲んだ。趣味でウィーン楽…

梅干と海苔でなくチーズを?!

ドイツを初めて訪れたきっかけは、あるドイツリートの講習会に申し込んだことだった。期待に胸を膨らませ、7月中旬の出発に備えて格安航空券も見つけ、準備万端の6月のある日、我が家の私の部屋の私の机の下では、猫がお産を初めて、順番に産まれているとこ…

森鴎外とベルリン

今日、グルックのオペラ「オルフェオとエウリディーチェ」に、森鴎外が文語体の日本語で訳詞を付けたオペラ「オルフェウス」が初演された。 古典派グルックの崇高な様式美を持つ音楽と、森鴎外の格調高いだけでなく、あふれるような抒情性を持つ流麗で美しい…

蚊のこと

今日、庭で我が家の子猫と遊んでいて、蚊に刺されたので思い出したのだが、ドイツに留学中、虫刺されの薬をまったく常備する必要がなかった。日本で悩まされる蚊がいなかった。冬は寒すぎるからかもしれないが、夏にも居なかったのは不思議だった。乾燥して…

ハーブ、薬草の効能

ドイツ家庭ではハーブが料理にふんだんに使われる。テレビの料理番組を見ていても、お肉のローストに、あれやこれやハーブの名が出てきて、張り切って見ていても、途中で訳が分からなくなってしまうほどだった。 日本でもお料理にいろいろな香り物は使われる…

くしゃみをすると・・・

ドイツで人前でくしゃみをすると、すかさず周囲から「ゲズントハイト!(Gesundheit!)」という台詞が飛んでくる。これは「健康」という意味の名詞である。くしゃみをした本人はそれに「ありがとう。(Danke)」と答える。くしゃみをした人のほうから先に何かを…

ボンの森

写真がボンのユースホステルだ。街から市バスで20分くらいの郊外にあった。オペラの帰りもバスで帰った。空いている深夜の道路をバスは快速に飛ばす。車内放送で停留所の名が聞こえたらボタンを押すとバスがとまってくれる。すると、とまったのは真っ暗なと…

復活祭とドイツの春

復活祭目前の3月末の木蓮の花。ボンにて。 私はかねてからドイツの春は5月に突然やってくるのだと聞いていた。でも実際、ドイツで春が巡ってくるのを3回経験してみて確かなことには、毎年キリスト教の暦によって多少変動はあるものの、3月末から4月上旬に設…

ベルギーのチョコ老舗レオニダスの出店

ベルギーはチョコレートで有名だ。日本ではゴディバが第一人気だが、地元ではレオニダス派も多い。最近は日本にも数箇所で手に入る。 この写真の旗の出ている家は、1階がレオニダスショップとなっている。エアランゲンの街で散歩中に見つけた。散歩といって…

薔薇窓のローレンツ教会

ニュルンベルクのローレンツ教会は薔薇窓と呼ばれるステンドグラスで有名だ。写真の教会入り口の大きなアーチの上の大きな丸いところが、教会内部から見ると美しいステンドグラスとなっている。 ニュルンベルク近くの街に公演で訪れた。旅巡業?!の間に秋から…

ニュルンベルクのからくり時計

中央広場のフラウエン教会はゴシック時代の建築物。空に向かうたくさんの縦のラインが印象的である。 お昼の12時にはからくり時計が動き出して、カール4世と7人の選帝侯が出てくる。写真はその登場人物たちが時計の中に退場していくところだ。

ニュルンベルクの自転車

ニュルンベルクの街、セルバルドゥス教会の入り口前から撮った一枚。写真奥に向かって石畳の道も丘陵のように上り坂になっている。自転車で走る見知らぬお兄さん。 日本では、ハンドルがサドルより高く、頭を高くしたまま乗ることのできる通称「ママチャリ」…

デュッセルドルフのユースホステル

デュッセルドルフもライン河辺の街である。日本企業の進出でも知られるが、自然と都市とが不思議に調和したなかなかよい街だ。ユースホステルは写真の土手に面した家並みに沿った道の果てにある。(土手に散在するのは放牧中の本物の羊です!!!)その道を何度…

オランダ、ダームの夕暮れ

ベルギーに暮らすオランダ人御夫妻がご好意でベルギーの観光名所を車で案内して下さったことがあった。最後に、ちょっとだけ国境を越えて、オランダ、ダーム(Damme)の街に乗り入れた。市庁舎広場に面したレストランのテラスでの夕食後、帰途につく前に見せ…

7月のライン河辺で

私は幸運にも、オーディションにより選抜されたマスタークラス参加者の一人として、ライン河辺のお城に1週間迎えられたことがかつてあった。コブレンツから各駅停車の列車で2,3駅のところだった。選ばれて集まった参加者は10人ほどで、それぞれ個室をあてが…

薔薇と聖母子

「マリア、少年キリスト(そう命名されている通り、幼児キリストより大きくなっている!)に薔薇の花で編まれた王冠を授ける」(画家:ザニーノ・ディ・ピエトロ、フランスのジョヴァニと呼ばれた。1448年以前に没。) のどかな野で戯れる母子の後ろの左右に…

ユーロ記念日

私がドイツに留学中だった2002年1月1日、ユーロ通貨の一般市場での流通が始まった。送金など書類の上ではすでにユーロはそれ以前に始まっていたが、実際のユーロ紙幣や通貨が出回るのはこの日が初めてだった。 ただでも日曜、祝日は店舗が閉まるドイツ。1月1…

ドイツの医者と処方

皆様お元気でお過ごしですか?私はこの暑い夏、元気なつもりでしたが、どうやら昨日から風邪をひいたようです。仕方なく家でじっとしています。昼間あまり寝てしまうと夜眠れなくて困るので、休むのも程ほどにしようと物思いにふけり、前に風邪をひいたのは…

ペーザロ3: オペラの休憩時間

次におもしろかったのは休憩時間だ。美しい劇場だが、劇場内に飲み物を出すサービスがない。みな休憩に外に出て行くので私たちもついていった。そこでおもしろいことには、劇場前の広場がフォワイエのように華やぎ、海辺の街の夕風におしゃれした人々がたた…

ペーザロ2: ロッシーニの生家

海水浴のあと、午後は街の見学をした。ロッシーニの生まれた家などもある。写真の中央の道は海へと向かう。つきあたりは海だ。向かって右側手前の建物がロッシーニの生家で、現在はロッシーニ関連の資料が展示されている。 そうこうするうちにオペラの当日券…

アドリア海沿岸の街ペーザロ

イタリアはアドリア海沿岸の街ペーザロで、数日間の休暇を過ごした年があった。第1の目的はロッシーニ・オペラ・フェスティヴァルでの公演を見る事だったけれど、思いがけず、海辺の街の生活の風景も楽しむ事になった。 まず、小奇麗な街にはマンションも立…

ウィーン子の生活

私はシュトゥットガルトのバッハ・アカデミーのマスタークラスで一人のウィーン子に出会った。 オーディションの日、合格者の発表の時刻に皆が集まってくる。娘さんがオーディションを受けたというお母さんが、私に話しかけてきたりもした。いざ、紙が張り出…

プフィングステンの祝日

プフィングステンとは、キリスト教の祝日の一つで、日本語では聖霊降臨節と言う。 シュトゥットガルトの街の中心部に、昔、病院だったためにホスピタル教会、と名づけられている教会があった。この教会では近年、プフィングステンの祝日を迎える前の晩11時ご…

お辞儀の習慣

ドイツに留学して、その後ドイツで活躍されたあと、そのまま現地の大学で教鞭を取っている日本人のT先生がいるはずだから、よろしくね、と指揮のW先生から留学前に伺っていた。その大学に留学した私は、さっそくW先生からのメッセージをお伝えするべくT先生…

雨上がりのサンスーシ新宮殿とチェツィーリエ館

紅葉の美しい、まさに別世界のようなサンスーシ(「憂いなき」)宮殿と庭園を、雨の中の散策しました。終わりに、新宮殿にたどり着きました(写真一枚目)。雨も上がり、夕日に映える新宮殿です。帰途に着く街のバス乗り場近くから撮影しました。中国風の館…

文豪シラーの街の教会で

シラーの生まれたマールバッハの街の教会の中です。自然光で祭壇がこのように照らされて、人一人いない内部は、とても神秘的な空気で包まれていました。 シュトゥットガルトから電車で40分くらいのところ、ネッカー川を渡ると、川に面した高台に城壁に囲まれ…

ザルツカンマーグート:マーラーの作曲小屋

マーラーの交響曲第2番「復活」の演奏会に向けて、マーラー関連の本も紐解いてみました。何より私をひきつけたのは1枚の写真でした。それは、マーラーが1893年から96年にかけて夏の休暇に滞在して作曲に専念したという、アッター湖畔シュタインバッハの湖に…

教会の日時計

これはシュトゥットガルト市内のバート・カンシュタットという地区にある教会の壁にあった日時計です。 この教会にはバッハのカンタータ120番の解説演奏会でアルトのソロを務めた思い出があります。アリア全体がコロラトゥーラのパッセージからできているよ…

ベルリンのフンボルト大学

ベルリンのウンター・デン・リンデン大通りに面したフンボルト大学です。抜けるような青空にひきつけられます。バッハの「ヨハネ受難曲」では、受難の出来事を締め括る最後の長大な合唱曲Ruht wohlのあとに、天国的に響く美しいコラールが付いています。重い…